みはしのブログ
2020年01月16日
振袖
こんにちは!京呉服みはしスタッフの平原です。
2020年の成人式が終わりましたね。
沼田市では、お天気が心配されていましたがなんとか持ちこたえてくれたので、新成人の皆様やご家族の方はホッとされたのではないでしょうか。
みはしのスタッフも、胸をなでおろしていました。
さて、今回は、成人式終了直後ということで振袖や小物のお手入れについて書いてみたいと思います。
大切な振袖を丁寧にお手入れしておけば、次に着る時にも気持ちよく着られますし、何よりきちんと保管されたお着物は長持ちします。
想いのつまった振袖のお手入れの、参考にしていただけたら幸いです。
まず、お着物の保管で一番避けて頂きたいのが、「湿気」です。
一つ前のブログ記事「成人式が終わった後何をしたらいい?」の記事でもお伝えしているように、振袖を脱いだらすぐに着物ハンガーに掛けて湿気を飛ばしておくことが大切です。
直射日光を避け、できれば電気を消したお部屋で、一日から二日陰干しをしていただいた後に汚れがないかチェックしていきます。
もしも振袖を着ている段階で「汚しちゃった!」と気が付いた場合は、
「何の」汚れか
「いつ」ついたか
汚れに対して「ふき取る」「ウェットティッシュで拭いてしまった」等、何らかの処置をしたかどうか
の三点を、クリーニング業者さんに伝えるようにすると、スムーズに染み抜きができるのでわかる範囲で知らせるようにしてみてください。
自覚のある汚れが特にない場合は、振袖の汚れやすい箇所をチェックしていきます。
振袖の汚れやすいポイントは、
両袖の底の部分(一番下の部分)
裾回り
襟元
の、三点です。
袖の底の部分、裾回りは床に擦ってしまったりしてうっすら黒くなる、立ち座りの際うっかり袖を踏んでしまって汚してしまうことが多いようです。
また、襟元は下を向いた際にファンデーションが付いてしまう事が非常に多いです。
これらの汚れはお家で染み抜きをすることもできますが、失敗したときのリカバリーが難しくなってしまうのでなかなかご自分で染み抜きをするのはハードルが高いですよね。
そんな時は、着物のクリーニング業者さんに依頼することも一つの方法だと思います。
その際は、着物本体に「〇〇加工」「〇〇ガード」等の汚れを防ぐ加工が施されているかどうかを確認してください。
もしも何らかの加工がされているお着物を普通にクリーニングに出してしまうと、かかっている加工の効果が薄れてしまう可能性がありますので注意が必要です。
「加工がかかっているかどうかわからない・・・」
という場合は、お着物を購入されたお店に相談してみるのが良いと思います。
どんなお手入れが必要か、方法や金額を提示してもらえると思います。
お手入れを業者さんに依頼する場合は、仕上がりが次の着用日までに間に合うかどうかを合わせて確認することも忘れてはいけないポイントです。
着物のクリーニングにはもともと洋服よりも時間がかかるものですが、この時期は特に振袖のお手入れがたくさん出されますので、
普段よりも時間がかかることが多いです。
三月に卒業式を控えていて、袴に振袖を合わせて着る予定がある、という方は、
目立つ汚れがなければ卒業式が終わってからクリーニングに出すことをお勧めします。
さて、汚れのチェックが済みましたら振袖を畳んでいきます。
初めに手をきれいに洗って、床もほこりやゴミなどがないか確認します。
大判の風呂敷や衣裳敷がお家にあれば、その上で畳むと良いと思います。
まず、下の図のように振袖を置きます。
①
自分の左側に衿、右側に裾がくるようにします。
下前(手前側)の身頃を、脇縫い線で折ります。
次に、下前(手前側)のおくみを縫い目(おくみ線)に沿って手前に折り返します。
衿方あき(着た時に首の後ろに来る部分)は内側に折ります。
②
折り返した下前(手前側)の上に、上前(奥側)の裾、おくみ、衿を重ねて揃えます。
③
上前(奥側)の脇縫い線を摘まむように持ち、自分のほうに引き寄せてきて下前(手前側)の脇縫い線に重ねます。
裾のほうから衿のほうに向かって重ねていくとやりやすいです。
ここで身頃が重なります。
④
次に袖を折っていきます。
二枚重なっている袖の上のほう(左袖)を、袖付け線から後ろ身頃の上に重ねます。
⑤
重ねた左袖を、衿の方向に折り返します。
折り線が付いている場合がほとんどなので、その線にしたがって折っていきます。
⑥
衿先のあたりに手を置き、そこを起点にして裾を肩山の方向に向かって折り返します。
⑦
肩山と、身頃の下側を持って全体を奥に向かって裏に返します。
そうすると、右袖が身頃の上に折り返した状態になります。
身頃に添わせるように上にある右袖を折り返し、もう一度裏に返して出来上がりです。お疲れ様でした!
⑧
しまうたとう紙やタンスの大きさによって全体を三等分に畳む畳み方や、左右の袖を二枚重ねて畳む方法もありますが、
基本的にはもともと付いていた折り目をなぞるようにして畳むと良いと思います。
着物は、縫い目以外で折ることはあまりありません。
左右対称なつくりなので、畳み終わったときに縫い目が重なっていることが大切です。
さあ、きれいに畳んだあとは保管ですね。
前述したとおり、着物に湿気は禁物です。
湿気は下に溜まるので、一階よりは二階、タンスも一番下よりは一番上が着物の保管には向いています。
もし桐のタンスをお持ちでしたら、大切なお着物は上段に収納されるのがベストですが、ない場合も
なるべく湿気を避けて収納する、ということを意識してみて下さい。
衣類の除湿剤などを活用して頂くことと、しまいっぱなしにせず年に一回はタンスや収納ケースを開けて、
空気の入れ替えをしていただくことでカビなどのリスクを減らすことができます。
尚、防虫剤をお使いになる場合は、着物の生地に絶対に触れないようにご使用ください。
以上が、振袖のお手入れの方法となります。
大切な振袖ですから、少々手間はかかりますがしっかりメンテナンスをされて、いつでも着られるようにしておいていただければと思います。
みはしでは、お手入れに関するご相談も随時受け付けておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
染み抜きのお見積りは、無料となっております。
お問い合わせは こちら
お電話でのお問い合わせは
0120-154-384
(営業時間10:00~18:30 水曜日定休)
ご来店予約は こちらから
みはしは、「きもので笑顔のお付き合い」をモットーに、
沼田市、みなかみ町、昭和村、川場村、片品村、そして高山村、中之条、吾妻地域のお客様に愛されている地域密着型のお店です。
振袖のこと、
着物のこと、
クリーニング、
お直しやきものの保管など、なんでもご相談ください!
お客様の笑顔を全力でサポートさせていただきます!
2020年の成人式が終わりましたね。
沼田市では、お天気が心配されていましたがなんとか持ちこたえてくれたので、新成人の皆様やご家族の方はホッとされたのではないでしょうか。
みはしのスタッフも、胸をなでおろしていました。
さて、今回は、成人式終了直後ということで振袖や小物のお手入れについて書いてみたいと思います。
大切な振袖を丁寧にお手入れしておけば、次に着る時にも気持ちよく着られますし、何よりきちんと保管されたお着物は長持ちします。
想いのつまった振袖のお手入れの、参考にしていただけたら幸いです。
まず、お着物の保管で一番避けて頂きたいのが、「湿気」です。
一つ前のブログ記事「成人式が終わった後何をしたらいい?」の記事でもお伝えしているように、振袖を脱いだらすぐに着物ハンガーに掛けて湿気を飛ばしておくことが大切です。
直射日光を避け、できれば電気を消したお部屋で、一日から二日陰干しをしていただいた後に汚れがないかチェックしていきます。
もしも振袖を着ている段階で「汚しちゃった!」と気が付いた場合は、
「何の」汚れか
「いつ」ついたか
汚れに対して「ふき取る」「ウェットティッシュで拭いてしまった」等、何らかの処置をしたかどうか
の三点を、クリーニング業者さんに伝えるようにすると、スムーズに染み抜きができるのでわかる範囲で知らせるようにしてみてください。
自覚のある汚れが特にない場合は、振袖の汚れやすい箇所をチェックしていきます。
振袖の汚れやすいポイントは、
両袖の底の部分(一番下の部分)
裾回り
襟元
の、三点です。
袖の底の部分、裾回りは床に擦ってしまったりしてうっすら黒くなる、立ち座りの際うっかり袖を踏んでしまって汚してしまうことが多いようです。
また、襟元は下を向いた際にファンデーションが付いてしまう事が非常に多いです。
これらの汚れはお家で染み抜きをすることもできますが、失敗したときのリカバリーが難しくなってしまうのでなかなかご自分で染み抜きをするのはハードルが高いですよね。
そんな時は、着物のクリーニング業者さんに依頼することも一つの方法だと思います。
その際は、着物本体に「〇〇加工」「〇〇ガード」等の汚れを防ぐ加工が施されているかどうかを確認してください。
もしも何らかの加工がされているお着物を普通にクリーニングに出してしまうと、かかっている加工の効果が薄れてしまう可能性がありますので注意が必要です。
「加工がかかっているかどうかわからない・・・」
という場合は、お着物を購入されたお店に相談してみるのが良いと思います。
どんなお手入れが必要か、方法や金額を提示してもらえると思います。
お手入れを業者さんに依頼する場合は、仕上がりが次の着用日までに間に合うかどうかを合わせて確認することも忘れてはいけないポイントです。
着物のクリーニングにはもともと洋服よりも時間がかかるものですが、この時期は特に振袖のお手入れがたくさん出されますので、
普段よりも時間がかかることが多いです。
三月に卒業式を控えていて、袴に振袖を合わせて着る予定がある、という方は、
目立つ汚れがなければ卒業式が終わってからクリーニングに出すことをお勧めします。
さて、汚れのチェックが済みましたら振袖を畳んでいきます。
初めに手をきれいに洗って、床もほこりやゴミなどがないか確認します。
大判の風呂敷や衣裳敷がお家にあれば、その上で畳むと良いと思います。
まず、下の図のように振袖を置きます。
①
自分の左側に衿、右側に裾がくるようにします。
下前(手前側)の身頃を、脇縫い線で折ります。
次に、下前(手前側)のおくみを縫い目(おくみ線)に沿って手前に折り返します。
衿方あき(着た時に首の後ろに来る部分)は内側に折ります。
②
折り返した下前(手前側)の上に、上前(奥側)の裾、おくみ、衿を重ねて揃えます。
③
上前(奥側)の脇縫い線を摘まむように持ち、自分のほうに引き寄せてきて下前(手前側)の脇縫い線に重ねます。
裾のほうから衿のほうに向かって重ねていくとやりやすいです。
ここで身頃が重なります。
④
次に袖を折っていきます。
二枚重なっている袖の上のほう(左袖)を、袖付け線から後ろ身頃の上に重ねます。
⑤
重ねた左袖を、衿の方向に折り返します。
折り線が付いている場合がほとんどなので、その線にしたがって折っていきます。
⑥
衿先のあたりに手を置き、そこを起点にして裾を肩山の方向に向かって折り返します。
⑦
肩山と、身頃の下側を持って全体を奥に向かって裏に返します。
そうすると、右袖が身頃の上に折り返した状態になります。
身頃に添わせるように上にある右袖を折り返し、もう一度裏に返して出来上がりです。お疲れ様でした!
⑧
しまうたとう紙やタンスの大きさによって全体を三等分に畳む畳み方や、左右の袖を二枚重ねて畳む方法もありますが、
基本的にはもともと付いていた折り目をなぞるようにして畳むと良いと思います。
着物は、縫い目以外で折ることはあまりありません。
左右対称なつくりなので、畳み終わったときに縫い目が重なっていることが大切です。
さあ、きれいに畳んだあとは保管ですね。
前述したとおり、着物に湿気は禁物です。
湿気は下に溜まるので、一階よりは二階、タンスも一番下よりは一番上が着物の保管には向いています。
もし桐のタンスをお持ちでしたら、大切なお着物は上段に収納されるのがベストですが、ない場合も
なるべく湿気を避けて収納する、ということを意識してみて下さい。
衣類の除湿剤などを活用して頂くことと、しまいっぱなしにせず年に一回はタンスや収納ケースを開けて、
空気の入れ替えをしていただくことでカビなどのリスクを減らすことができます。
尚、防虫剤をお使いになる場合は、着物の生地に絶対に触れないようにご使用ください。
以上が、振袖のお手入れの方法となります。
大切な振袖ですから、少々手間はかかりますがしっかりメンテナンスをされて、いつでも着られるようにしておいていただければと思います。
みはしでは、お手入れに関するご相談も随時受け付けておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
染み抜きのお見積りは、無料となっております。
お問い合わせは こちら
お電話でのお問い合わせは
0120-154-384
(営業時間10:00~18:30 水曜日定休)
ご来店予約は こちらから
みはしは、「きもので笑顔のお付き合い」をモットーに、
沼田市、みなかみ町、昭和村、川場村、片品村、そして高山村、中之条、吾妻地域のお客様に愛されている地域密着型のお店です。
振袖のこと、
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クリーニング、
お直しやきものの保管など、なんでもご相談ください!
お客様の笑顔を全力でサポートさせていただきます!
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