みはしのブログ
2019年11月11日
振袖
成人年齢が18歳へ引き下げとなり、成人式はどうなるのだろうと心配している方も多いのではないでしょうか。。
18歳と言えば多くの方が高校3年生であり、大学受験と重なることで「成人式どころじゃない」と考えるのもごく自然な発想かと思います。。
実際、成人式はどうなるのでしょうか。
現時点では、神奈川県の逗子市が先頭を切って成人式を二十歳の年度で行うと方針を示し、京都市や埼玉県の蕨市、山梨県全域と、続々と二十歳の式典として開催を表明しております。
二十歳の式典として表明する自治体は増えていく一方、成人年齢である18歳で行うと表明している自治体は未だありません。
これは何故か、色々な理由はあると思いますが、実際問題18歳で成人式を行う場合を想定してみますと、その時点で20歳を迎える学年と、19歳を迎える学年と、18歳を迎える学年の3学年を1年の中で行う必要があります。
成人式の多くは各自治体が主体となって行っていることが殆どで、1年だけとはいえ自治体の負担は大変なものとなることが明確な事実であり、やりきれるかどうかの判断が非常に難しいと思われます。
また、成人式では、多くの新成人が振袖などの着物姿で参列をする文化が浸透しております。3学年同日でない可能性を考えたとしても、地域の着物専門店や振袖ショップ、また美容室における供給が追い付かないことも考えれます。商品というよりは、、成人式当日の着付師や美容師の確保が非常に困難であると予想されます。
特に同日開催となれば、それらの確保はほぼ不可能ともいる状態です。
そういった現状を踏まえると、今までのような形式で式典を開催するのであれば二十歳の年度と考えるのが妥当だろうなと思います。
ここで、そもそも成人式は何の為に行ってるのかを考えてみたいと思います。
既に二十歳で成人式を開催すると表明している埼玉県蕨市にて、戦後の復興への志を掲げた若者が集い、「青年式」という形で産声をあげたのが今の成人式の始まりです。
そこから全国津々浦々の自治体へと広がっていった訳ですが、やはり想いは同じで、自分たちのまちの未来は自分たちで創っていくんだという志が全国各地で共鳴しあっていたのではないかと思うのです。
戦後荒廃したまちを目覚ましい復興と高度経済成長への原動力の中心に、明るい未来を夢見た若者の力は必要不可欠だったでしょう。
青年式は、やがて成人式として形式を変化させていきました。
そして、成人式を迎える若者にとっては、「大人としてのスタートラインに立つ」、「友人との再会」、そして自治体によっては新成人が両親に「感謝の言葉を伝える場」として等、様々な新しい価値が生まれ、多くの新成人にとって「憧れ」や「楽しみ」となりました。
反面、式典を開催するサイドとしても、参加するサイドとしても、多かれ少なかれ形骸化している側面もあるように感じます。
やらなければならないから開催する、成人式だからしょうがない振袖を用意する・・・そう思っている人がいることも事実でしょう。
しかし、誰かが始めた行事が、ここまで国民全体に広がり、文化として定着することは近年では非常に珍しいことではないかと思いますし、振袖のような華美な衣装を身に纏う文化が根付いていることは、大変すばらしいことですよね。
成人式が18歳であろうと、20歳であろうと、新成人にとっても主催者としても、是非とも意義のある成人式となっていただきたいと願います。
意義のある成人式とは何でしょうか。
色々な考えがあると思いますが、友人や恩師との再開、そして式典の中で「やっぱり地元って良いな」「カッコいい大人になりたいな」なんて新成人が思ってくれたら嬉しく思います。
そういう想いを持った若者が一人でも増えれば、地元での就職を考える学生も少しずつ増えていくのではないでしょうか。
私なりに意義のある成人式は「地元愛に満ちた式典」であると思います。
そもそもの成人式の発祥も「自分たちのまちは、自分たちで盛り上げるんだ」という強い地元愛があったからこそだと思います。
国が掲げる地方創生にしても、地方が抱える人口減問題にしても、「成人式」をただの年間行事ととらえるのではなく、開催するサイドと参加するサイドの両面から、今一度「何のための成人式なのか」を考えることで、光明が見えてくるのではないかとも思います。
本当に意義のある成人式を開催でき、その意義を新成人がしっかりと受け取ってもらえるようにするためにはどうしたら良いのかということを、国や主催する主に地方自治体には強く願います。
今回私なりに、振袖を扱う専門家として、また、地域を担う企業としての考えを長々と綴ってみました。このブログを読んでいただいたことで、成人式について考えるきっかけになってくだされば幸いです。
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