みはしのブログ
成人式での振袖着用率は、今ではほぼ100%と言っていいほどではないでしょうか。
それだけ「成人式には振袖を着る」もしくは「着たい」という価値観が定着し、日本を代表する文化となったのでしょう。
華やかな成人式の模様をニュースで見られる方も多いかと思いますが、そもそも振袖とはどういった着物を指すのかご存知ですか?
「振袖とは一体なんなのか」という事を知ることで、ひと味もふた味も違った気分で
振袖を着ることができますよ!
■振袖と晴れ着って何が違うの?
「振袖」は着物の種類の名前です。
洋服でいったら、「ワンピース」「」というような
「晴れ着」という呼ばれ方もしますが、こちらは振袖も含むフォーマルシーンで着る着物の総称となります。
何となく違いを理解している人もいらっしゃると思いますが、一応そのような違いがあります。
他のブログでも何度か記していますが、晴れ着の「晴れ」とは、非日常という意味合いがあります。
つまりは、「特別な時に着る特別な着物」という意味ですね。
洋装でも、TPOがあるように、和装の世界にもTPOがあります。
日本に着物しか無かった時代、日常で着る普段着としての着物と、儀式など改まった特別な場で着る着物があった訳で、今でもTPOに応じて着る着物の種類が変わるというのはお分かりいただけるかと思います。
■振袖を彩る素晴らしい意匠
振袖には様々な絵柄が描かれています。
代表的な柄としては、「松竹梅」「御所車」「貝桶」「七宝」などがあげられます。
これらは「吉祥文様」と言い、いわゆるお目出度い意味のある意匠です。
≪松竹梅≫
言わずとも知れた意匠ですね。
松・竹・梅の三つの植物は、冬の寒さに耐える「歳寒三友」とも呼ばれ、「清廉潔白」「節操」という中国文人の理想を表現しているそうです。日本では、松は常緑の姿から長寿を。竹はまっすぐ伸び地下茎でどんどんふえることから繁栄。梅は上記しましたが他に先駆けて咲くことから忍耐や繁栄を表し、最もおめでたい、また格式高い柄の一つです。
≪御所車≫
貴族が移動の際に使用していた乗り物ですね。
それ自体が裕福さを表していますので、良いご縁が有りますようにという願いが込められています。
≪貝桶≫
貝合わせという遊びがあり、その貝を入れておく桶を意匠化したものです。
貝はハマグリで、ハマグリは2枚が対となっていて、丁度ぴったりと合う貝は無いと言いますので、貝合わせとは神経衰弱のような遊びですね。
こちらもお嬢様にとってぴったりのパートナーと巡り合えるようにという願いが込められています。
≪七宝≫
仏教において「金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)」という七つの宝を指します。
※無量寿経では上記の内容、法華経では珊瑚、瑪瑙が真珠、玫瑰(まいかい)とされています。
豊かさを象徴であり、平たく言えば、将来にわたり飯に困らないようにという意味合いでしょうか。
単体で使用されることもありますが、多くは円形が連続した形で使用されており、その場合は七宝つなぎとも呼ばれます。
よい事が末永く連続していく様を表しているので、意味合いを強調している形となります。
他にも数々の意匠があり、その殆どが、着物を身に纏う本人や家族などのとりまく人々の幸せを願って描かれています。
こちらのブログでもご紹介しておりますので、良かったらご覧ください。
■振袖の袖は何で長いの?
振袖の特徴として、華やかな印象である「長い袖」ですが、他の着物と違い、何故長いのでしょうか。
遥か昔飛鳥時代、聖徳太子などの絵でも描かれていますが、昔は今の着物とは大きく違い、今のような振り振りした袖はなく、筒袖と言われる現代の洋服のような形状をしていました。
奈良時代、平安時代にもなりますと、十二単が誕生したように、衣装で優雅さや権力を表現し、機能性よりも見た目の華やかさが重視されています。
十二単は着るのも大変ですが、着たら最後、介助なしには身動きとれなくなる程大変だという話も聞きます。
そこからだんだんと今の着物へと変化していくのですが、長い袖は単純に華さを表しているという事ですね。
華やかであるからこそ、未婚女性にとってはアピールポイントにもなるわけです。
長い袖であればその分様々な吉祥文様を描けますのでお祝い色も高まりますよね。
色々なサイトで色々な紹介がされていますが、この華やかさという点が一番本質的であり、原点ではないかと考えています。
だからこそ成人式という特別な場にふさわしい「晴れ着」であると言えるでしょう。
いかがだったでしょうか。
今の振袖は「晴れ着」としての意味合いだけでなく、個性を表現する「ファッション」としての意味合いも強くなってきました。
もちろんそれはそれで素晴らしいことだとは思うのですが、一生に一度の大切な節目で用意する衣装ですので、「振袖って何なんだ」という意識を少しでも持っていただくと、より意味のある成人式を迎えられることと思います。
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