みはしのブログ
■成人式に振袖以外の着物を着てる人はいるのか?
成人式に振袖以外の装いとして、スーツなどがあげられますが、今回のブログではそちらは割愛させていただき、『振袖以外の着物』の可能性についてご紹介させていただきます。
ちなみに、振袖以外の着物を着て成人式に参加されている方については、「かなり少ない」と言えます。
実際に成人式会場を見回してみましても、女性の場合は、ほぼ100%と言ってもいいほど振袖を着用しています。
ただ、「袴が良い」というお問い合わせは時々あります。
「振袖がもっともふさわしい」とは思いますが、「振袖でなくてはならない」ということはありません。
もし、「振袖じゃなきゃダメなのかな?」「振袖以外も良いな」と少しでも感じるのであれば、是非参考にしていただければと思います。
■着物別おススメ度
振袖を☆☆☆☆☆とした場合
ふさわしいかどうかというTPOの観点だけでなく、コーディネートの難しさや、華やかさやおしゃれさなどのファッション性の観点も合わせた総合的な評価とさせていただきました。
・袴(おススメ度☆☆☆☆)
明治には、動きやすさの機能性から女学生を中心に日常着としても普及されていましたが、歴史的背景を振り返りましても、もちろん儀式などの式服としても着用されていました。
実は、ひな人形の三人官女も袴をはいていたりします。
今では大学や専門学校の卒業式に『袴』というのが卒業を迎える女の子の憧れとも言えるくらい広まっています。
卒業式と袴の組み合わせは、かの有名な宝塚音楽学校でも伝統行事としてとても有名です。
卒業生が全員『黒紋付』に『緑の袴』を着用し、ニュースなどでも報道される風景をご覧になったことがある方も多いかと思います。
袴は『卒業式』というイメージが強いかもしれませんが、卒業式の衣装という事ではありません。
今も昔も正式なセレモニーの場で着用されるれっきとした式服と言えますので、成人式という人生の節目となる式典にも十分といえる格もあると言えるでしょう。
「成人式に袴って大丈夫なのかな?」と心配されている方は、安心してお召いただきたいと思います。
ただ、袴になると華やかな帯結びができないという面で、人によっては華やかさに欠けると感じることもあるかもしれませんので、注意が必要です。
また、袴に合わせる着物ですが、振袖、訪問着、色無地、小紋など、様々な選択肢がありますが、華やかさを考えれば一番お勧めは振袖、次点で訪問着かと思います。
これでなければならないというような決まりはありませんので、自分の好みや華やかさなどを加味して選ばOKです。
・訪問着(おススメ度☆☆☆)
簡単に言ってしまえば、振袖の袖が短いバージョンです。
色柄も華やかなものも多くあり、基本的にお祝いの意味のある柄で構成されていることが多く、式典で装う衣装としてふさわしいかどうか、という観点においては振袖に引けをとることはありません。
しかし、袖の長さだけでなく、色や柄についても、華やかさの中にも落ち着きや上品さという要素も多く含まれているので、20歳のフレッシュさや派手さにおいては振袖には敵いません。
地味になるのは嫌だけど、あんまり派手なのは気が乗らないといような上品さを求めるような方であれば良い選択肢になるかもしれませんね。
ただ、訪問着はこれからの人生の中で着用するチャンスは数多くあります。「今しか着れない!」という点がそこまで気にならないかどうか、良くお考えいただければと思います。
・色無地(おススメ度☆☆)
最近では無地の振袖もちらほら見かけますが、ここでいう色無地はあくまでも通常の袖丈の着物を指しています。
色無地自体は訪問着と同様にお祝いの場で着られる着物になりますので、ふさわしいかどうかという点においては問題ありません。
無地の振袖は、華やかな色柄の振袖に囲まれると、その存在感は一層増します。逆に目立つんですよね。
しかし、袖丈の短い色無地は、目立つかもしれませんが、華やかさに欠ける少しさみしい感じにもなってしまう可能性が多くあります。
もちろん、それをものともしないコーディネートでばっちり決める!という強者もいらっしゃるでしょうが・・・
そういう意味でもかなり上級者向けと言えるでしょう。
無地が良いと思われる方は、無地の振袖を探してみることをお勧めします。
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こちらは無地の振袖です。
帯も映えるし、着る人の雰囲気を選ぶ振袖ですが、うまく着こなせばかなりいい感じです!
・紬、小紋(おススメ度☆)
着物を着ている事自体が正装という考えも最近では多くなってきておりますが、紬や小紋ですと、TPOの観点ではふさわしいとは言えない、ということを言わざるを得ません。
もちろん、小紋の中にはセミフォーマルとして着用できる柄や、コーディネート次第では色無地や訪問着と同様の着こなしをできる場合もありますが、それはかなりの知識とセンスが問われる、着物上級者でないととてもハードルが高いです。
めちゃめちゃ着物が好きで、今こそそれを発揮する時だ!というような方以外にはあまりおススメはできません。
また、今ではそう多くはありませんが、「こんな場に小紋(紬)なんか着てる!」と後ろ指をさされるような場面もあるかもしれませんので、それなりの覚悟も必要かもしれません。
それでもチャレンジしたい!と思われる方は、あまり自分の感覚だけに頼らずに、専門家にアドバイスをもらいながら進めていくといいでしょう!
ただし、成人式に小紋や紬なんてありえない!とピシャっと指摘される方も多いとは思いますので、理解のある着物屋か、着物ファンの方に出会えるように根気も必要でしょう。
私としては、そんな着物に対する愛情があふれる強者がいるのであればそれはとても嬉しいことですので、是非ご相談いただけたらと思います!
・黒留袖、黒紋付(おススメ度☆☆)
黒留袖は、主に結婚式、黒紋付は主にお葬式などで着用されています。
もちろん本来はそれだけではないのですが、そこまで着物のことを知らない人も含め一般的なイメージが強く、紬や小紋と同様に、まわりからの冷ややかな視線を集め兼ねません。
着物の格としては、どちらの着物も背中、両胸、両袖の計5箇所に家紋がはいる、もっとも格式の高い着物ではありますので、そういう意味では何も問題はありません。
男性では、今でも黒紋付に袴を合わせて成人式に参加している人もまだまだいるでしょう。
ただ、女性についてはほとんど見ることはありません。
着物の文化的側を鑑みればこういう装いがもっと増えてもいいのではないかなとは思いますが、やはり二十歳という若々しさや、華やかさという側面を考えるとどうしても普及しずらいのかなとも思います。
しかしながら、もし「着たい!」と思われるのであれば、それはとても素晴らしい事ですので、是非自信を持っていただきたいですし、一生に一度の節目ですからチャレンジもして欲しいなとも思います。
いかがでしたでしょうか?
「成人式には振袖」というイメージも強いかもしれませんが、振袖でなければならないというような事ではありません。
ただ、このブログを書いていて思ったことは、「やっぱり振袖は良いな」ということです。
みはしの着物アルバム←主に成人式の前撮りのお写真が掲載されていますので、ご参考にご覧ください。
着物の仕事に携わって十数年・・・数々の着物の中でも、振袖の華やかさ、鮮やかさは特別に感じます。
「これがいい!」という強いこだわりも是非尊重してほしいとは思う反面、だまされたと思って振袖着てみぃ」と、振袖を着てみて欲しいという気持ちもあります。
「振袖じゃなきゃダメなの?」とお考えの方は、振袖も含めて色々な選択肢の可能性を考えて、最後納得して決めていただけたらなぁと思います。
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京呉服みはしのブログを読んでいただき、ありがとうございます。
成人式を控え、どうしようか迷っている方にとって、私共が発信する情報で少しでもお役に立てることがありましたら嬉しく思います。
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